2020年「高大接続改革」の進捗④

第4回目は「英語」について見ていきます。

大学入学者選抜においても、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を適切に評価するため、共通テストの枠組みにおいて、現に民間事業者等により広く実施され、一定の評価が定着している資格・検定試験を活用する。

となっています。ほぼこれで共通テストで民間の検定試験が使われることが決定されたとみて良いと思います。

そして,その評価方法として「CEFR」を使用する,となっています。
CEFR…(Common European Framework of Reference for Languages :Learning , teaching , assessment)の略称。外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ共通参照枠。以下のイメージになります。

順当に考えると,最有力は「英検」になるのではないでしょうか。

すでに,広島大学や鹿児島大学をはじめ,その他の大学や私立大学で,2次試験に民間検定試験を英語の試験に置き換える,ということが行われています。
この流れはますます加速すると思われます。ですので,現高校生も無関係ではいられません。
2020年からは,全大学でこの方式がとられる可能性があると言うことです。

そしてその実施時期が2020年なのか,という問題については以下の2案が出ています。

≪A 案≫
平成32年度以降、共通テストの英語試験を実施しない。英語の入学者選抜に認定試験を活用する。
≪B 案≫
共通テストの英語試験については、制度の大幅な変更による受検者・高校・大学への影響を考慮し、平成35年度までは実施し、各大学の判断で共通テストと認定試験のいずれか、又は双方を選択利用することを可能とする。

つまり,最終決定は先になりますが,「共通テスト」から英語のテストがなくなる,ということがほぼ決定しました。問題は2020年からなのか,2024年からなのか,だけです。2024年からはほぼ確実に,民間検定の結果がそのまま入試結果になる,ということです。

それともう一つ,受検回数について。

センターは、受検者の負担、高等学校教育への影響等を考慮し、高校3年の4月~12月の間の2回までの試験結果を各大学に送付することとする。

まず,費用の問題があります。つまり,民間の検定ですので受検料がかかります。よって,平たく言えば,お金をかけられる人は受検回数を増やせば増やすほど有利になる,ということです。これでは不公平なので,高3の4~12月の内「2回」までとする,となったのです。費用についても割引や複数回受検での減免などの配慮をする,となっています。

このように,英語は入試科目から消え,検定試験のスコアーがそのまま合否の判定に使われることが決定された,といえます。
そして最後になりますが,民間検定試験ということは,当然「4技能=読む・書く・聞く・話す」を評価されるので,特に多くの生徒さんが対策をしていない「話す」の重要性が増した,といえます。