H30大分県公立高校入試[国語第3問]

大問3についてです。

全体的には,やや難し目だったと思います。
形式面はほぼ例年通りでしたが,内容がつかみにくかった人もいたのではないでしょうか?
全体の要旨=「ものに心を伴わせるべき」がつかめるかがポイントでした。
また,小問数が4問と少なく,1問の配点が3~4点と多かったので,1問の重みが高かったです。

では,小問毎の解説をしていきます。

問一 エ

まずは,詩の最後の3行にある「そのひとに こころやさしい ぬのきれが一まいよりそっていないとは しんじにくい」から,「ひと=こころ」に「ぬのきれ=もの」がいっしょに存在していることが分かります。
次に,傍線部の3行目前,「ものやお金にこころをつけておかなければいけない」から,「つけておかなければいけない」=いっしょに存在していることが分かります。
そこで選択肢を検討していくと,エの「ものには思いが込められている」と一致しているので,エが正解となります。
アは「無駄を省いた質素な生活を賛美した詩」
イは「ものを大切に扱うことの意義を説いた詩」
ウは「本当の豊かさを書いた詩」
という部分がそれぞれ誤っています。

問二 (例)原則的には違うものに等価を認め,相手が欲しがっているものを渡すことで喜んでもらえるのがうれしいというこころがはたらく

50字~60字という字数に戸惑うことなく冷静に解いて欲しい問題でした。
空所補充問題の解法の基本である,空所の前後に注目してください。
「交換は,~ことで成立するものである。」とあります。つまり,交換の成立条件を本文から探してまとめる問題でした。
第6段落の3行目「本来交換という行為に伴っていた「こころ」を失わない社会を作ることが大事」という部分にに注目してください。次に,この「こころ」を具体的に説明している部分を探してください。
すると,第5段落2行目「もちろん価値の評価が大事なのですが,この時,相手が欲しがっているものを渡すことで喜んでもらえるのがうれしいというこころがはたらいていたに違いないありません」という部分をみつけることが出来ます。
また,4段落6行目,「原則的には違うものに等価を認めて交換する」という部分も交換の成立条件ですね」。
そこで,この2つをまとめて書くと解答になります。

問三 関係

この問題もまた,空所補充問題の解法の原則である「空所の前後」に注目してください。まずは直前の「経済活動において効率を重視するようになると」という部分とに注目すると,第1段落の5行目「貧しさの反対は,豊かさと便利さだと信じて社会を動かしてきた結果」という部分が見つかります。次に,「~が断ち切られ」という部分に注目すると,2段落2行目「時間と関係が消えた」という部分が見つかるのではないでしょうか。

問四 イ

この「~について説明したものとして最も適当なものを」という問題は,「消去法」を活用してください。
ア「ものやお金よりも「こころを優先」
イ「人間の「こころ」を軽視したのはやむを得ないこと」
が,本文と合わないことは容易に判断できるのではないでしょうか?
次にイ,ウを比較検討します。
すると,ウは「日本の現状を示す客観的な事実を列挙して」の「列挙」,「すべてのひとが他者を思い続ける「こころ」を取り戻すべき」という部分の「すべてのひと」「他者を思い続ける」という部分で切れると思います。

ライズ1 本田